WANDERER

「旅」にまつわるアレコレを30代サラリーマンが綴ります。

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【映画】『LIFE!』/旅に出たくなる映画No.1

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今回は2013年の映画『LIFE!』をご紹介します。この作品は私的「観たあと、旅に出たくなる映画ランキング」No.1です!

 

 『LIFE!』は2013年に公開された作品(日本公開は2014年)で、原題は「The Secret Life of Walter Mitty」です。

 

監督・主演を務めるのは『ナイト ミュージアム』シリーズの主人公でもおなじみのベン・スティラー

アラスカを放浪の上、遺体で発見された青年を描いた『イントゥ・ザ・ワイルド』の監督でもある名優ショーン・ペンがカメラマン役で出演しています。

 

 

あらすじ

地下鉄に乗って雑誌「LIFE」の写真管理部に通勤しているウォルターは、何ひとつ変わりばえのない日々を繰り返している。彼の唯一の趣味は、虚しい現実から逃避して突飛な空想に浸ること。ある日、ライフ誌最終号の表紙を飾る大切な写真のネガがないことに気づいた彼は、一大決心をしてカメラマンを探す旅に出発する。そのありえないほど波瀾万丈の冒険の道のりは、彼の人生を一変させていくのだった……。

~Amazon.co.jp商品紹介ページより

 


映画「LIFE!」 《人生が変わる》6分間予告篇

 

 

作品に宿った不思議な魅力

劇場公開時を含め、何度もこの映画を鑑賞していますが、正直映画自体の出来でいったらこの作品より上のものはたくさんあると思います。

 

コメディとしてはそこまで笑いどころがあるわけではないですし、ドラマとしてはあまりに出来過ぎていて、どちらかといえば“おとぎ話”のような感じです。

人によっては、「なにが良いのか分からない」とか「あんなことありえないでしょ」と言う人もいるのではないでしょうか。

 

でも、何度観ても色褪せない不思議な魅力が、この『LIFE!』にはあります。

「旅」好きな方であれば、この気持ちわかっていただけるのではないでしょうか。

 

 

絶景の連続

冴えない会社員であった主人公が、ひょんなことから世界を股にかけた旅に出ることになり、旅を通して変わっていく……

というストーリーだけを聞くと、非常にありがちなものに思えます。

 

しかし、この『LIFE!』では、そのストーリーを圧倒的に美しい風景たちが支えています。

 

映画が始まって最初の30分強は、大都会ニューヨークのオフィスを中心に展開されます。

そこでは、ウォルターがなかなか上手くいかない人生を前にして、そこから逃避するかのように“ぼんやりと”非現実的な妄想をする姿が描かれます。

 

前述のあらすじのとおり、そこから一転して彼は旅に出ることになるわけですが……

 

カメラマンであるショーン・オコンネルを追って、ウォルターが巡るグリーンランド、アイスランド、アフガニスタン高地といった土地土地の風景が本当に美しいです。

それを見ているだけでワクワクさせられっぱなしなのです。

 

ヌーク(グリーンランド)

 

エイヤフィヤトラヨークトル(アイスランド)

 

ノシャック山(アフガニスタン)

 

※実際にはアイスランドで撮影されたシーンが多いようです。

 

 

映し出されるのは非現実的な風景ですが、それらは“彼の妄想”と違って現実の風景です。

こうした景色の中を旅して、土地の人々と触れ合うことで、ウォルターは変わっていきます。

 

ちなみに、ヌークへ向かうウォルターが搭乗したのはグリーンランド航空でした。

真っ赤な機体がとても可愛い!

就航路線は少ないようですが、いつか乗ってみたいです。

グリーンランド航空 

 

 

さぁ、一歩を踏み出そう

景色を見ているだけ旅好きには十分楽しいのですが、この『LIFE!』にはワクワクさせられるシーンがまだあります。

 

これまでウォルターは(父の死という原因もあり)、地道に平凡な人生を歩んできました。

 

そんな彼が、決断を迫られるシーンが劇中では何度かあります。

これまでであれば、恐らく思いとどまってしまったのではないでしょうか。

 

しかし彼は勇気を出して、一歩を踏み出すことに成功します。

 

嵐の海へ向かうヘリコプターに飛び乗る、アイスランドの大地を自転車・スケボーで駆ける、危険なアフガニスタンに向かう……

素晴らしい音楽とともに、主人公のウォルターが一歩を踏み出す様子が、劇的に描かれています。

 

そして、これまで自分ができないことを妄想で補っていた彼ですが、旅が進むにつれて、だんだんと妄想は減っていくのです。

 

この作品は必ずしもお仕事モノというわけではないのですが、ウォルターが働いているのは、かの有名な「LIFE」誌という設定です。

そして、その設定が随所に生かされています。

 

最も印象的なのが、ウォルターがネガを探すために旅に出ることを決断するシーンです。

壁にかけられたショーンの写真に手招きをされたウォルターはオフィスを飛び出します。

 

走り出すウォルターの後ろにまず映し出されるのは、オフィスに飾られたモハメド・アリ、ジョン・F・ケネディ、ジョン・レノン……LIFE誌の過去の表紙たちです。

世界を変えた偉人たちを背景にして、ウォルターは空港へ向かいます。

 

そこからの一連のシークエンスには、劇中でLIFE社の標語(スローガン)とされている言葉が挿入されています。

 

これが、なんとも心に刺さるのです!

 

To see the world, things dangerous to come to,

to see behind walls, to draw closer,

to find each other and to feel.

That is the purpose of LIFE.

 

(世界を見よう 危険でも立ち向かおう

壁の裏側をのぞこう もっと近づこう

お互いを知ろう そして感じよう

それが人生の目的だから)

~本編中より

 

素敵なテレビ番組の数々や、とても便利なGoogle アース、インスタグラムの写真……

私たちが「世界」に触れる機会は非常に多くなりました。

 

それでも私たちが旅に出る理由、この標語はそれを表しているように思えます。

 

仕事に追われながら、オフィスの窓の外に非現実的な風景を求める……

そして旅に出て、世界に触れ、人に触れ、これまでになかった経験をして、帰ってきたときに少しだけ新たな自分になった気がする。

 

ウォルターほど劇的でなかったとしても、それが自分の人生の目的なのかもしれません。

この標語を心に刻んで生きよう、そう思わせてくれる作品です。